『不祝儀袋の「御霊前」と「御仏前」ではどう違うのでしょうか?』
今回は「不祝儀袋(ぶしゅうぎぶくろ)」の素朴な疑問を解決していきたいと思います。
まず、「不祝儀袋」とは?葬儀、法事などの儀式の時、お金を包む封筒や包みのことです。「香典袋」ともいいます。「不祝儀袋」=「香典袋」です。
ご不幸があった時、お金を包む袋……どの袋を使うの?なんて書いたらいいの?……悩みませんか?
私は、いつでも何があっても良いように……と準備していないので、ご不幸があった時は慌てます。
では不祝儀袋の準備の仕方について、順をおってお伝えしていこうと思います。
◆不祝儀袋を選ぶ
「白黒結び切り」「黄色」「双銀」の水引がついたもの、封筒に水引が印刷されているものなどがあります。
結婚式などお祝い事に使う封筒も紅白の水引のついた封筒をつかいます。水引をかける理由については、未開封であることの証明として、また魔除けとしてなど、いろいろな意味で伝わっています。
ご不幸の時に使う水引の結び方は2種類、「あわじ結び」と「結び切り」です。
あわじ結び
2色の水引が8の字を書くように結ばれた結び方です。左右に引っ張ると結び目が固くなります。解けにくい結び目であることから同じことが起きないように。末永く付き合う。といった意味があります。
結び切り
一度結ぶと二度と解けない結び方です。そういった結び方から一度きり。一度で終わる。といった意味があります。
◆表書き
表書きが印刷してある不祝儀袋も売っていますが、どれを使ったらいいのか?何て書いたらいいのか?悩みますね。
まず、ご不幸があった時に使う封筒の表書きの代表的なものを簡単に説明します。
御霊前
亡くなった方の霊の前に供えるものを意味します。(浄土真宗や曹洞宗では霊という概念がないため、使わない方がよいかもしれません)
御香典
お香やお花の代わりに供えるものです。
御花料
キリスト教の葬儀においてご遺族に渡すものです。
御玉串料
神式の葬儀で包むものです。仏式でいうと御香典です。
仏式で宗派が分からない場合、「御香典」を使うのがよいかもしれませんね。
『不祝儀袋の「御霊前」と「御仏前」ではどう違うのでしょうか?』
のお答えとしては
「御霊前」……四十九日以前
「御仏前」……四十九日以後
※四十九日の法要は亡くなって49日目に行います。(49日以前の土日に行う場合もあります)
※四十九日法要での不祝儀袋の表書きは「御仏前」です。
◆どの位つつんだらいいの?(金額)
不祝儀袋に包む金額……悩みますよね。
亡くなった方との関係、香典などを包む方の年齢、社会的立場、そして地域によっても変わってきます。
簡単に目安をお伝えしますね。
ご両親
30歳未満:3万円~10万円
30歳以上:5万円~10万円
ご兄弟・ご姉妹
30歳未満:3万円~5万円
30歳以上:5万円~10万円
祖父母
30歳未満:1万円~3万円
30歳以上:1万円~5万円
叔父・叔母(伯父・伯母)
30歳未満:1万円~2万円
30歳以上:1万円~3万円
友人・友人の家族
5千円~
隣人(ご近所の方)
3千円~5千円
仕事関係・お取引先
3千円~1万円
◆不祝儀袋への入れ方
まず、お札は新札は避けましょう。ただ、あまりに汚れていたり、よれよれになったお札は避けましょう。もし新札しかない場合は、折り目をつければOKです。
内袋にお札を入れます。ここでの注意点は「お札に描かれている人物が裏になるように入れる。」「人物はお札の下側にくるように入れる。」です。
ご不幸があった場合は「顔を伏せる」といったかたちでお札を入れましょう。
なお、おめでたい時、御祝儀袋にお金を入れるときは、その逆です。
◆袱紗(ふくさ)に包む
不祝儀袋を持参する際の袱紗の色は紫、紺、グレー等寒色系です。紫色の袱紗はおめでたい時も使うことができますので、紫色を用意しておくと便利です。
◆不祝儀袋の書き方のコツ
不祝儀袋の書き方をお伝えします。
不祝儀袋は、のし袋と中包み(内袋)がセットで売られています。
のし袋:水引のついている外側の袋です。
中包み(内袋):お金を包む袋です。
書く時は筆ペンをお薦めします。筆ペンに和紙は、にじむことがあります。試し書きをしてみてくださいね。可能であれば、筆ペンより筆に墨汁で書いた方がにじみが少ないです。
しかし時間がない場合は、筆ペンで手早く書くのがコツです。
◆表書きの書き方
水引をはさんで上の方、中央に表書きを書きます。上下同じくらい余白があるとバランスよく見えますよ。
水引をはさんで下の方、中央に姓名を書きます。こちらも上下余白があるとバランスよく見えますよ。
名前をキレイに見せるコツは次の2点です。
● 中心線を意識する。
● 画数の多い字は大きめに。
墨の濃さは薄墨です。薄墨の筆ペンが売っていますので、そちらを使いましょう。筆、墨汁で書く場合は水を多めで、必ず試し書きをしましょう。
◆中包み(内袋)の書き方
必ず書く内容は3つです。金額、住所、氏名です。中包みの表に縦書きで金額。裏に住所(郵便番号も書きましょう)、氏名を書きます。中包みも薄墨です。
◆まとめ
以上、不祝儀袋のあれこれをお伝えしました。
誰も避けることのできない辛いこと。ご不幸があった場合は、ご遺族や周りの方に寄り添った立ち振る舞いをしていただけると嬉しく思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。