「祭壇」の「壇」はなぜ、つち偏か?
今回は
「『祭壇』の『壇』はなぜ、つち偏か?」
という素朴な疑問を解決したいと思います。
◆「祭壇」とは
「祭壇」とは、宗教的儀式を行う際、神仏、霊などをまつる台のことです。
お葬儀に参列されたことがある方は、お式の会場で一番目立つ位置に設置されているので見たことはあるのではないでしょうか。
お葬儀の規模、故人の好みによって祭壇の装飾はかわってきます。
そして、お葬式以外でも、常設されている祭壇もあります。
例えば、寺院にあるご本尊を祭っている壇、ご家庭に仏壇があるお家もあると思います。こちらも「祭壇」です。
「壇」(ダン・タン)の意味
「壇」(ダン・タン)の字義としては
- 土を盛り上げて築いた高い所。祭り・大将の任命、盟約などの式場に用いた。「天壇」「祭壇」
- 一段高くつくった所。「花壇」「演壇」
- ば。ところ。
- 同じ学芸に従事する専門家仲間。「文壇」
篆文(古代使われていた文字)から紐解きます。
形声文字。
土+坦(タン)
平地の意味。太陽神を祭るための、一段高くなっている平地の意味。
<出典:漢語林(株式会社 大修館書店)>
古代昔、地面を一段高く盛って神様を祭っていたことから「地面」の意味の「つち偏」が使われていることが分かります。
◆祭壇の種類
少しお葬儀の際での「祭壇」の種類に触れておきますね。
信仰する宗教によって祭壇は異なります。
特に気になさらない方には色々な装飾を選ぶことができるため、葬儀社ではさまざまな祭壇を準備しています。
仏教
白木祭壇。白木に「汚れがない」「新しい」といったイメージがあることから好まれています。
装飾品(輿、遺影台、位牌台、供物台、灯篭、生花などなど)
神道
装飾品(三種の神器、三方、五色旗、ぼんぼり、しめ縄、紙垂などなど)
キリスト教
宗派によって違うようですが、十字架、キャンドル、白い花を供えます。
宗教にこだわらず、オリジナリティーのあるもの
花祭壇、モダン祭壇、オリジナル祭壇 等々
◆最後に
「『祭壇』の『壇』はなぜ、つち偏か?」のお答えは
「古代昔、地面を一段高く盛って神様を祭っていたことから「地面」の意味の「つち偏」が使われている」
でした。
祭壇にはいろいろな種類があることも分かりました。
故人らしさが伝わる祭壇が飾られていると、故人を偲ぶ気持ちもより深まりそうです。
ご自身の終活をし、「自分はどんな祭壇にしようか?」などと考えるのも良いかもしれません。