「無宗教でお葬儀をしたいのですが、どうすれば良いでしょうか?」
今回は、「無宗教でお葬儀をしたいが、どうすれば良いか?」という質問にお答えしたいと思います。
◆日本のお葬儀の多くは仏教式
まず、ここでいう「無宗教」は、一般的に私たちの考える「無宗教」とは少しニュアンスが異なります。
日常生活を送る中で、仏教やキリスト教、イスラム教など、
ご自身や家の信仰する宗教を強く意識して生活している方はどのくらいいらっしゃるでしょう?
おそらく、多くの方は、日頃の生活ではそれほどご自分の信仰を深く意識することはないのではないでしょうか?
初詣は神社やお寺にお参りをするけど、クリスマスやハロウィンも盛大に盛り上がるというように、
イベントとして宗教行事を楽しむこともたくさんあります。
キリスト教の洗礼を受けているわけではないけれど、結婚式は教会で挙げるという方もたくさんいらっしゃいますね。
しかし、日頃、宗教を意識していないからといって、
必ずしもお葬儀が「無宗教」となるわけではありません。
日本では、一般的に多くの方は仏教式でお葬儀を執り行います。
そして、お葬儀において大切になるのは仏教の宗派です。宗派によって、お葬儀の流れや作法も違うからです。
なので、お葬儀の時に葬儀の担当者に宗派を尋ねられて
「うちって仏教なのはわかるけど、宗派は何宗だったかな?」と悩んでしまうこともよくあるのです。
しかし、無宗教のお葬儀では、宗教的な儀式は行いません。
従って、お坊さんなど、宗教者は来ませんし、読経や焼香などもありません。
宗教的な儀式を行わず自由なスタイルでお葬儀を行うことから「自由葬」とも言われています。
では、「無宗教のお葬儀」を執り行うことのメリット、デメリットをご説明いたします。
「無宗教のお葬儀」のメリット
「無宗教のお葬儀」のメリットとしては、故人らしいお葬儀ができる、費用を抑えられるといったことがあります。
- 故人にあったお葬儀ができる
仏式のお葬儀と違い、位牌、戒名、読経、お焼香などはありません。
一般的なお葬儀の進行のように決まりごとはありません。
自分たちで、故人にあったお葬儀をすることが可能です。 - 費用を安く抑えられる
お布施など、宗教者にお渡しするお礼がないため、喪家の経済的な負担が抑えられることも多いです。
そして、一般的なお葬儀の後にある、
初七日、四十九日、一周忌、三回忌、七回忌などの法要もないので、その点でも費用を抑えることができます。
無宗教のお葬儀のデメリット
もちろん、無宗教のお葬儀には注意しなければならないこともあります。
- 親族の同意が得られないことも
無宗教のお葬儀は、ご親族の同意が得られないこともあります。
ご親族の方の中には、
お坊さんが来ない、初七日や四十九日も無いということを受け入れることができない方もいらっしゃいます。
無宗教葬をする際は、ご親族のご意見やお気持ちもよく聞いておいた方が良いと思います。
- すべて自分たちで決めなければならない
一般的なお葬儀は、流れもある程度決まっています。
しかし無宗教のお葬儀は自由に進めることができます。
つまり、自分たちですべて決めないといけないということになります。
読経もお焼香もないと、間が持たないということもあります。
多くの場合、焼香の代わりに献花をしたり、また、無宗教葬だけどお焼香はするということもあります。
無宗教のお葬儀(自由葬)の経験が多い葬儀社にご相談いただければ、さまざまな例を提示してくださいます。
故人がどのようなお葬儀をすることを望んでいるか、イメージしておくと
故人、ご親族、参列される方が満足されるお葬儀になると思います。
- 菩提寺のお墓に入れない
先祖代々のお墓が菩提寺にある場合、
お葬儀を無宗教で行ってしまうと、そのお寺のお墓にお骨を納めることができない恐れもあります。
お寺のご住職の考え方にもよりますが、
ご遺骨を受け入れてもらえないで新たに宗旨宗派を問わないお墓を探して、購入しなければならない。
または菩提寺でもう一度、お葬儀をやり直さなければならないということもあるようです。
そこまで厳しくはなくても、無宗教でお葬儀を行ったためにお寺との関係が悪くなって
トラブルに繋がるといったリスクもあるということは理解しておきましょう。
◆まとめ
「無宗教でお葬儀をしたいが、どうすれば良いか?」については、
メリット、デメリットをよく理解された上で行うことをおすすめします。
この時、ご親族ともご相談しお決めいただければ、皆さんが満足のいくお葬儀を施行することができると思います。
ただし、皆の意見をまとめるのが難しい場合もありますので、
もし将来、ご自分のご葬儀を無宗教で行ってほしいと希望するのであれば、
生前からエンディングノートなどに書いて、ご家族や親戚の皆さんに、きちんと希望を伝えておくことも大切です。
また、お葬儀のことだけでなく、お墓のことも考えて検討すると良いでしょう。
そして一番大切なことをもう一つ。
無宗教のお葬儀を希望する際には、無宗教葬の経験が豊富な葬儀会社へご相談くださいね。
きっといろいろなアドバイスもしてくれますよ。